| 弟切草 |
| 機種:SFC、PS ジャンル:サウンドノベル |
| ストーリー:ガールフレンドの『奈美』との行楽の帰りに、偶発的な事故で車を失った主人公が逃げ込んだ古びた屋敷。庭一面にひしめき合うように咲き乱れる弟切草が、まるでふたりを誘うように嵐の風になびく。不気味な光景に躊躇するが、街まで帰る術もない。意を決してその屋敷に踏み込んだふたりに、数奇な運命が降りかかる……。弟切草の花言葉、それは『復讐』。 |
| 最終目標:とにかく、さまざまな方向に枝別れする物語を楽しもう。目指すはシナリオ達成率100%。達成すれば、ちょっとエッチなシナリオが追加されるぞ! |
| 鯨波評:業界初のジャンル、サウンドノベル。画像と効果音付きの小説を読み進めて行くだけなんだけど、途中で出現する選択肢によってお話はどんどん変化して行きます。じんわりと迫り来る恐怖と戦慄は、秀逸でした。私は、これがプレイしたくてSFC本体を購入したんです。何しろ、怖い! 初期のSFCソフトの中では類を見ない画像の単調な美しさ。それ故に倍増される恐怖心。ヘッドホンで効果音を聴いていると、時々マジでビビリます。そして、クリアするごとに増えて行く新しいシナリオ。恐怖だけではなく、胸に迫る切ないものやコメディも。いや、お見事でした。 システムにちょっと難があって、普通行かないような選択肢で進むと、どうしても矛盾が出てきてしまったりするんですよね。同じ場面を二回もやってしまったり、まだ出会ってもいないのに「また怪魚か!」とか言ってみたり、止んだ筈の雨がまだ降っていたり。その辺はまあご愛敬って事にしても、せめて、PSに移植した時には直しておいてほしかったっす(泣)。わざと残したらしいんだけど、絶対おかしいってー。 PSといえば、PSに移植された事によって背景のクオリティはあがったんですよね。動画も入ったし。確かに怖い事は怖いんだけど、SFC時代の方が単調なイラストだっただけに、怖さも倍増だったような気がします。なんか、妙な世界に入り込んでしまったような感覚に捕らわれたりして。私はSFCの方が好き。シナリオも、際限なく枝別れしすぎて、何が何だか解らない感じに。もう少し、かっきりまとめちゃっても良かったんじゃ。未だにPSの方はシナリオ全部達成できてないんすよ。 まあそれはともかく、一応『弟切草』のメインになっている『双子の姉妹編』も良いんだけど、私が一番好きなのは『初恋の痛み編』です。恋を知らずに死んでしまった奈美の姉ナオミが、主人公に恋をする。その切なさが、美しかった。最後を飾ったライラックの花が、姉の想いを星に変える……。感動じゃないですか!! 次点で、『魚になった弟編』ですか。これも哀しかったよー。魚になりたいと願った、身体の不自由な奈美の弟ナオキ、それを叶えようとした姉ナオミ、何も知らずに、何もできなかったと嘆く奈美……。歯車は狂い、運命はナオキを怪魚へと変えてしまった。全てが終わり、元の美しい姿へと戻ったナオキは、しかし二度と目を開く事はなく……。こればかりは、ナオキ君に目覚めて欲しかったよう。ぐすぐす。姉妹愛が良かったっす。 しかしどんな素晴らしいシナリオも、達成度があがっていると、大抵最後に拍手で迎えられてしまうんだよね(苦笑)。たのむ! 最後は切なく終わらせてくれ! 家族一同で採点してくれなくて良いからさー! しらけちゃうんだよう……。 小説を読むのが好きな人なら、暇つぶしとしてでもかなり楽しめるソフトです。 |