退魔庁付属機関高等専門学校”大和武尊”
L8ディヴ 怪談『刻鏡』 ここでの対談は私個人の書くオリジナルのものなので、NPCのみ出演して頂いています。 |
第0回(オープニング) 校内でにわかに囁かれるようになった怪談『刻鏡』。満月の夜午前0時、校内から生徒の持ち物が消失するという妙な噂が、怪談となって広まりはじめた。失せ物はそれぞれ個人の大切にしている物で、困っている生徒も少なくない。それを目の当たりにした二年生、進藤龍哉(NPC)は、生徒を集めて怪談『刻鏡』を調査する事にした。校内の目立つ場所に張り紙を掲示し、興味を持った生徒と接触を試みようとする彼の行動は、この後どう展開していくのだろうか。 |
第1回結果 郁実: 教室に忘れた万年筆が無くなってる事に気付いて、大切なものだったからダメ元で進藤の企画に参加する事にした。 進藤: 学生達の色々な物が無くなってたよな。代表的には前田聖の絵筆、北条麻璃亜のお守りか。この三人の中では、最初に俺の企画に参加してきたのはお前だけか。雇姑詩折と一緒だったよな。 郁実: 美術の授業中に、時岡先生(時岡圭吾・NPC)が美術室の壁をペンキで塗りたくって姿を消すっていうおかしな事があったんだよ。その時にクラスメイトの雇姑がちょうど刻鏡の話をしてたからな。協力してもらう事になって。前田や北条は、この時点では美術講師の咲弥先生(咲弥澪・NPC)に相談してたらしいな。あの人はタロット占いも出来るし。 進藤: 刻鏡の調査に関しては、面白半分だとか好奇心だとか、困っている友達を放っとけないみたいな連中が多く参加してたんだよな。 郁実: 最初は、めちゃくちゃ人数が多かったような気がするんだが。 進藤: そういえば多かったなー。どこまでが刻鏡の仕業かわかってなかったからな。そもそも、この時はまだ刻鏡の話でさえウワサでしかなかったし。結局、原因が分からないから刻鏡みたいな噂がたっちまった訳だしな。ところで氷村は、個別リプレイの方では『進藤に協力的な方の好例』とか描かれてたよな♪ 郁実: ……そんなつもりはなかったんだがな。 進藤: あ、ひでえ。でも、失せ物にあってすぐに俺に接触してきたし、失せ物に関しての質問をあらかた受けた後は、捜索する側にまわってたしな。 郁実: 万年筆を捜す為に動き回っている内に、何時の間にか……。 PL的回想 |
第2回結果 郁実: 夜の校舎に忍び込んで現場を押さえようとした奴等も多かったらしいが、それは危険だからやらなかった。とりあえずは雇姑と協力し合って教室にビデオを設置してみたんだがな。 進藤: なあんにも、映ってなかったんだよなー。 郁実: ほっとけ。まあ正直、あまり期待はしてなかった。そんなに都合よく刻鏡の現象が起こるなら苦労はない。もしも人為的なものなら、なおさらそんな簡単に足がつくような間抜けな事はしないだろうし。 進藤: 誰かが故意に、っていう説はあちこちから出てたよな。この時美術室関連の何かも無くなってたから、前回変な行動をとってた時岡先生がめちゃめちゃ疑われてたし。 郁実: 無関係ならそうと、何かを知ってるなら知っているとはっきり言わないからこういう事になるんだ。肯定も否定もせずに、学生達の反応を楽しんでいるようにしか見えなかったからな。 進藤: 正直、お前はどう考えてた? 時岡講師の事。 郁実: この時点ではまだ何とも。何か知っているだろうとは思ってたな。多分、何か考えがあって隠してるんだろうと。それよりは、夜に学校に忍び込んでる奴の方が気になった。 進藤: いくらなんでも、ムボウだよなー。魔術を使ってうまく警備員の目を誤魔化してた奴もいたけど、それこそばれたらタダじゃ済まないってのに。 郁実: だから、あの企画が出た訳か。 進藤: そ、肝試し大会〜! 夏の風物詩さ。これなら誰も悪くなく夜の校舎を徘徊できるし。 郁実: 一日だけだけどな。 進藤: そう言うなよ。せっかく榊先生(榊皇惟・NPC)に掛け合ったんだからさ。勿論、現場を都合よく押さえられるとは思ってなかったよ。何かヒントがあればと思って。 郁実: まあ、もしも刻鏡が何かの目的を持った人為的なものなら、この機会に動きがあるかもしれないしな。 進藤: そうそう。ま、結局、今思えば事件を進行させる為にも利用のしやすいイベントだったんだよな。大騒ぎになったし。 PL的回想 |
第3回 進藤: 待ちに待った肝試しだ! 郁実: 俺は、仕掛け側じゃなくて一般で参加。雇姑を含めた友人と4人で美術室を重点的に調べようと思って。 進藤: 肝試しの参加者のほとんどが刻鏡の調査の為の参加だったけど、それでも結構悪ノリする奴もいたから大騒ぎだったよな。各所で悲鳴が起こって、それが肝試しの仕掛けのせいなのかそうでないのか、何が何だかわからなくなってたし。そんな騒ぎの中で、参加してた羽澄天音がいきなり消えただろ? 郁実: 羽澄はちょうど俺達が美術室に行った時に発見されたんだよ。本人は気を失ってたし、何であそこにいたのかも分からなかった。そもそも、どうしていきなり姿を消したのかも分からなかったし。それを検討する暇も無く次の事件が起こって。 時岡: よくも人を騙そうとしてくれたね。 進藤: わあ!! 郁実: 俺達じゃないでしょうが! 時岡: まあ君はあそこにいただけだけどね。まったく、人を陥れようとするからあんな事になるんだ。 進藤: 美術室は確か人形劇サークル『まいむ』が仕掛け人として陣取ってて、そこの白雪ありすのパートナーの人形アリスが消えたんだよな。 郁実: 人形って言っても、傀儡師の白雪が息吹をかけてたから、ただの人形じゃなくて傀儡だったけどな。もとはといえば、まいむのメンバーでアリスの盗難事件を捏造して、時岡先生に発破をかけるつもりだったらしいぞ。 時岡: それで本当に盗難されてりゃ世話ないじゃないか。 郁実: どの口でそういう事を言いますか。 時岡: フフン、たまにはいいじゃないか。いつも君達生徒には、ある事ない事吹聴されて年中疑われてたんだから。 郁実: 自業自得です。 進藤: まあまあ。で、ここで何故かタロットカードの登場か。 郁実: 羽澄が攫われた時は、『星』のカードが逆位置で置いてあったらしいな。アリスが盗難に遭った時は、『魔術師』のカードが逆位置で残されてたし。 進藤: 新アイテムの登場だな〜……。あーあ。 PL的回想 |
第4回 時岡: 気付けば文化祭だねえ。 郁実: 咲弥先生にタロットカードの事を聞こうと思って美術室に行ったのに、あんたがいるとは思わなかった。咲弥先生が文化祭の出し物の占いカフェに参加してたのは誤算でしたよ。 時岡: よく言うよ。ここでもさんざん疑ってくれたくせに。 郁実: 疑ってないでしょうが。俺は。疑われますよって言っただけだ。マジシャンのリバースのカードが妙にあんたと符合してたのもあるけど、アリスの盗難の時にはその場にいたし、謎な行動が多いし。そうでなくとも普段から生徒の質問をのらりくらりとかわしてたでしょう。 時岡: でも、怖い顔で睨んでくれたじゃないか。 郁実: あんたが真面目に答えないからだ。 時岡: まあ、心配してくれたのだと受け取っておく事にするよ。あの時の君の物言いは、なかなかにヨかったしね(微笑)。 郁実: それ以上寄るな。 時岡: 失敬な奴だな。だから、前田くんの絵筆が見つかった事も、刻鏡の物語の事も教えてあげたじゃないか。かなりイイヒントつきでさ。あんなサービスは、滅多に無いよ。 郁実: それについては一応感謝しときます。『まいむ』の風祭太一にも感心されたし(PLが)。 時岡: まいむといえば、人形のアリスが文化祭で大暴れしてたね。あれは『傀儡操術』だよ。 郁実: 羽澄の誘拐、アリスの盗難、タロットカード。極め付けにアリスの暴走で、刻鏡が人為的に起こされているものだと、みんなが確信するに至った訳だけど。 時岡: まあ、予想通りという事かな? 郁実: 言っとくけど、この時まだ先生の疑いは晴れてなかったんですから。 時岡: いや、だから別に、疑われてもそんなに困りはしないんだけどね(笑)。で、結局僕の出した宿題はできたのかい? 郁実: フィクションの刻鏡の話なんか出してくれたおかげで、なお分からなくなった。物語と現実の刻鏡とは、まったく違うでしょう。自分で刻鏡を起こそうとするなら何が必要か、なんて、物語としての刻鏡の話が無い方がわかりやすかったじゃないですか。 時岡: 応用が足りないなあ。 郁実: はいはい、すみませんねえ。頭がカタくて。 PL的回想 |
第5回 時岡: しかし君らも、大概無茶な事をするな。今度は刻鏡を自分で起こす実験だって? それを起こせたとして、どうしようって言うんだい? 郁実: 条件さえ合えば、自分でも刻鏡を起こせるのかという実験ですよ。それに、他の目的もあったのを忘れてもらっちゃ困りますね。 時岡: 他の目的? 郁実: 監督に来ている榊先生と時岡先生の動きを見張る、というものですよ。あんた達は二人とも、肝試しの誘拐、盗難事件の時のアリバイが無かったんだから。 時岡: 本当に……君って奴は。 郁実: だから、企画は俺じゃないですって。そもそも、俺はあんたから聞くまで実験の事なんて知らなかったんだから。自分で「出てみろ」って言ったくせに。 時岡: ああ、あの屋上の時か! あの時の君と江村京二の討論は楽しかったな。 郁実: 本当に、くだらない事は良く憶えてるな……。 時岡: 君はやけに『刻鏡が人為的に起こされているなら』というところにこだわってたね。どうしてあんなに怒ってたんだい? 郁実: ……悪戯におかしな術に頼って、大変な事をしでかした人物を知ってるからだ。 時岡: ふーん。まあ僕たちが使う魔術なんて、どれもそういう一面を持ってるけどね。 郁実: 昔の話です。だから目的はどうであれ、もしも誰かが故意にそんな事をしているのなら、早く止めなければと思ったんです。……で、まあ先生や江村さんと話をして、多分物理的な収穫はないだろうと思いながらも実験に参加して、予想通り何も起きなかった。一緒に参加した久門燐太や九条海里はえらく不満そうだったけど。 時岡: 実験に参加する意味が無いじゃないか。 郁実: そうでもないですよ。この実験は本当は、今騒がれている刻鏡は不思議な現象の起こる怪談なんかではない、と証明する為のものだったんだから。何も起こらなくていいんです。それに別の方向で収穫はありました。実験中に雇姑が聞きかじった情報で、刻鏡の現象を起こすのに必要なものが陰陽師の使う『転移』の魔術じゃないかという仮説。先生が言ったんですよ。『物の消失』が一番近いって。転移は『物の移動』だ。それを言いたかったんでしょう? 時岡: ビンゴ。時には発想の転換も必要だよ。 郁実: それともうひとつ。傀儡のアリスが盗難に遭った時、すぐ近くで聞こえた声が榊先生のものであったという事、です。 時岡: なるほど。核心に迫った、という訳だね。 PL的回想 |
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